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過去の公開講座

第75回 公開講座(2011年6月16日開催)報告
「いつまでも元気に歩くために」~自宅で出来る簡単チェアエクササイズ~

講師 : 東急スポーツシステム テクニカルディレクター
ヒップウォーキングスペシャリスト 松尾 隆

人間のカラダの進化と退化について

  • カラダのどの部分が弱くなると人は歩けなくなっていくのでしょうか?
  • 答え
    • インナーユニットと呼ばれる深層の腹筋群
    • 抗重力筋と言われる中間層にある筋肉群
  • どのような生活様式でインナーユニットや抗重力筋は弱くなるのでしょうか?
  • 答え
    • 免荷姿勢と言われる、重力や体重がかかりにくい日常生活様式、特に長く座る生活様式、寝たきりの状態など
  •  退化した筋肉は再生できないのでしょうか?
  • 答え
    • 何度でも再生できます。

人の進化と発育・発達の関係

  • 「個体発達は系統発生を繰り返す」という言葉があります。その言葉の通り、私たち人間の発育・発達の過程は人類の進化の過程と酷似しています。
  • 私たち人間のカラダには、重力環境下で直立し、両上肢を使い、2足歩行で移動するのに最適な、身体構造をはじめとする様々な仕組みが隠されています。
  • この様々な仕組みこそが私たち全ての身体活動の基本となり、姿勢や運動の調節に大きく関わっているのです。

人間の進化を紐解く

  • 人間の進化の始まりをダーウィンの進化論から紐解くと海の生物から始まっていると言われています。
  • その海の生物から、陸に向って、両生類を経て、爬虫類、四足動物、類人猿、そして人間へと進化しています。
  • その過程を人間の赤ちゃんが1年間で再学しているのを皆さんは知っていますか?意外にそのことを知らない方が多いようです。

人の進化と発育発達の関係

脊椎動物の分岐的進化「陸生と海性」

海の生物から陸へ上がった生物を陸生といい、いわゆる人間の進化の流れを意味します。また海の生物も時とともに進化を遂げています、このように海の中に残った生物を海生と呼び、陸に一度は上がってまた海に戻った海のほ乳類のイルカなどは回帰と言われています。

魚から人へ

 脊椎動物の魚から人間に至るまで約5億年という途方もない歳月を費やしています。その途方もない歳月の中で変化したものの一つに脊椎、つまり背骨があります。魚類の時、一直線だった背骨が、5億年かけてどのように変化したのかというと、皆さんもご存じのとおりS字カーブという形に変わりました。このS字カーブを獲得するために5億年のときが必要だったと考えると、背骨の進化はすごいと思います。

骨盤と臀部筋群の進化

背骨と同じく長い時を経て進化したものがあります。それは骨盤と臀部の筋群、この進化は人間特有の二足立位、二足歩行に大きく関わっています。

猿からヒトへ

猿からヒトに進化する過程で、前述の背骨、骨盤の形状、そして胸郭の変化を伴いました。実際に猿からヒトへ進化する中で、直立二足歩行が実現できたのはいまから365万年前、5億年の進化の過程から考えれば、最近獲得できた進化の1つだと言われています。

体型と臀部の筋肉

直立二足歩行に重要な骨盤及び臀部の筋肉が他の動物とどう違うのか、例えばサラブレットの見た目のお尻はものすごく発達しているように見えます。だけど二足歩行はしません。なぜなのでしょうか?その答えは、馬のお尻のように見える筋肉は、人間でいう太ももの後ろの筋肉に当たるため、二足立位、二足歩行は不可能なのです。人間の骨盤やそこに付着する臀部筋群は人間特有のもので、逆にこの臀部の筋群の退化は、二足歩行への障害を生み出します。

抗重力機構の発達

はじめに人間の赤ちゃんの生後から1年間の発育・発達は生物の進化をたどることをお話ししました。国が違っても、性別が違っても赤ちゃんは

背臥位→寝返り・側臥位→腹臥位→よつばい→座位→つかまり立ち→立位→歩行の流れを確実にこなしていきます。この流れの中に例えば四つ足のほ乳類だったころの動きや爬虫類だったころの動きも含まれています。このように5億年かけて進化した流れを、赤ちゃんは約1年を通じて経験していると言われています。とても神秘的だと思いませんか?

自宅で出来る簡単チェアエクササイズ
「歩き」のための簡単チェアエクササイズ(一部抜粋)

①体幹のトレーニング

基本姿勢~腹式呼吸~逆腹式呼吸
写真:基本姿勢~腹式呼吸~逆腹式呼吸

①基本姿勢
●椅子に浅く座ります。
●膝とくるぶしの間をこぶし1個分にします。
●上半身真っ直ぐをイメージ
②腹式呼吸
●肋骨を拡げるイメージで行います。
③逆腹式呼吸
●息を吸ったときにお腹を凹ませます。

体幹・骨盤単位の安定
写真:体幹・骨盤単位の安定

両手を90度
●骨盤底筋を意識します。
●下腹部からみぞおちまでを凹ませ
 左右に回旋します。
●おへそと骨盤は正面をキープします。
●腹筋群をしっかり意識します。
●みぞおちから上を回旋します。
●背中のそりが強くならないようにしましょう。

②体幹・骨盤・下肢の安定トレーニング

立位両脚スクワット
写真:立位両脚スクワット


両脚スクワット荷重姿勢
●骨盤底筋群を意識します。
●背中が丸まらないようにします。
●脚の3関節、特に股関節、足関節を意識します。
●両足のつま先はまっすぐにします。
●膝の間はこぶし1個分をキープします。
●15秒間キープ、呼吸は止めないようにします。
●慣れてきたら深めにしゃがみましょう。
(股関節、足関節が45度)

図解:横から見た女性のからだ

※骨盤底筋は、
骨盤の底で膀胱や子宮、直腸などが下がらないように、
骨盤から支えている筋肉群です。
多くの頻尿や尿もれは骨盤底筋の弱まりから起きています。
骨盤底筋は腹筋と同じで鍛えることで強くなります。

「歩き」のための簡単チェアエクササイズ、3つのポイント
その1 骨 盤底筋群を意識しなさい。
その2 運 動軸を意識、こぶし1個分を忘れるな!!
その3 股関節と足関節の動きを意識しなさい。

チェアエクササイズは、いつでもどこでも椅子さえあればエクササイズすることが出来ます。

いつまでも歩くためにぜひ活用してみてください。